東和宏 公認会計士・税理士事務所

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事業承継税制は、平成30年度税制改正において、10年間の特例措置として、各種要件の緩和を含む抜本的な拡充が行われました。基本は、施行日以後5年以内に承継計画を作成して(都道府県に提出し)贈与・相続による事業承継を行う場合とし、まず、猶予対象の株式の制限(発行済議決権株式総数の3分の2)を撤廃し、納税猶予割合80%を100%に引き上げることにより、贈与・相続時の納税負担が生じない制度とされています。

 

日本商工会議所が発表した「事業承継と事業再編・統合の実態に関するアンケート調査」結果(有効回答数4140社)によると、自社株式の評価額が1億円超の企業は、従業員「100人超」が83.3%、「51~100人」が72.0%、「21~50人」が56.8%と、従業員規模が大きくなるにつれて株価が高い企業が増える傾向にあります。一方で、「20人以下」の企業でも26.9%と3割弱が株価1億円を超えており、企業規模が必ずしも株価と比例するとは限りません。

 

平成30年度税制改正を受け、事業承継税制の利用者数が増加するなか、自社株式評価額1億円超の相当程度の税負担が生じる企業では、既に後継者を決めている企業の48.6%と約半数が事業承継税制を「利用している(検討・準備中を含む)」と回答。一方で、「後継者候補はいる」、「後継者未定だが事業継続したい」企業では、「検討したことがない」が約半数を占めており、引き続き制度の周知・理解促進が必要とみられます。

令和2年分の所得税等の確定申告が16日から開始されますが、その陰に隠れて見落としがちなのが「国外財産調書制度」と「財産債務調書制度」の提出期限です。ともに3月15日までですが、確定申告期間の延長とともに、昨年と同様に4月15日まで延長されています。「国外財産調書制度」は、その年の12月31日において有する国外財産の価額の合計額が5千万円を超える居住者は、「国外財産調書」を所轄税務署に提出しなければならないとされています。

 

国外財産調書にはその国外財産の種類、数量及び価額その他必要な事項を記載します。国外財産調書の提出に当たっては、国外財産調書に記載した財産の価額をその種類ごとに合計した金額を記載した、「国外財産調書合計表」を添付する必要があります。ちなみに、昨年は、国外財産調書の提出件数が前年比6.9%増の約1万件、その総財産額は同9.2%増の4兆2554億円とともに6年連続で増加しています。

 

また、「財産債務調書制度」は、所得税等の確定申告書の提出義務者で、その年分の総所得金額及び山林所得金額の合計額が2千万円を超え、かつ、その年の12月31日において、その価額の合計額が3億円以上の財産又はその価額の合計額が1億円以上の国外転出特例対象財産を有する場合は、その財産の種類、数量、価額、債務の金額その他必要な事項を記載した「財産債務調書」を、所轄税務署に提出しなければならないこととされています。

 

上記の合計額が2千万円超については、申告分離課税の所得がある場合には、それらの特別控除後の所得金額の合計額を加算した金額です。ただし、1)純損失や雑損失、2)居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失、3)特定居住用財産の譲渡損失、4)上場株式等に係る譲渡損失、5)特定中小会社が発行した株式に係る譲渡損失、6)先物取引の差金等決済に係る損失、の各繰越控除を受けている場合は、その適用後の金額をいいます。

 

なお、相続開始年の年分の「国外財産調書」及び「財産債務調書」については、その相続等により取得した相続国外財産(財産債務調書は財産又は債務)を記載しないで提出することができます。この場合、国外財産調書の提出義務は、国外財産の価額の合計額から相続国外財産の価額の合計額を、財産債務調書の提出義務は、財産の価額の合計額から相続開始年に相続等により取得した財産の価額の合計額を、それぞれ除外して判定します。

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