東和宏 公認会計士・税理士事務所

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公益法人等が行う収益事業と収益事業以外の事業の両方に共通する費用(共通費用)の配賦方法の判断が争われた事件で国税不服審判所は、各経費が収益事業と収益事業以外の事業に係る共通費用と認定した上で、各経費の収益事業への配賦は個々の費用の性質及び内容などに応じた合理的な基準によって配賦するのが相当と判断して、収益事業及び収益事業に付随する行為から生じた費用ではないとして共通経費にも該当しないと判断した原処分の一部を取り消しました。

 

この事件は、マンションの管理組合法人である審査請求人が、マンション屋上部分の一部を携帯電話等の基地局の設置場所として賃貸して賃貸収入を得たことから、法人税等の申告をした後、賃貸収入に係る費用を損金の額に算入していなかったとして更正の請求をしたのが発端となっったものです。

 

この更正の請求に対して原処分庁が、その費用は損金に算入することができないと判断、更正をすべき理由がない旨の通知処分をしてきたため、マンション管理組合法人側が、原処分の一部取消しを求めて審査請求したという事案です。

 

原処分庁側は、マンション管理組合法人が支払う委託費、点検費及び火災保険料等の各経費は、マンション管理組合法人が行う収益事業に直接要した費用とは認められず、また各経費はマンション管理組合法人が収益事業を行っていない場合でも発生するものであり、収益事業及び収益事業に付随する行為から生じた費用とはいえないから共通費用にも該当しない旨主張しました。

 

一方、マンション管理組合法人側は、各経費は共通費用に該当し、全ての収入の額のうち収益事業の収入の額に占める割合(収入割合)を乗じた金額で損金の額に算入すべきである旨主張しました。因みに、マンション管理組合法人は建物の区分所有等に関する法律に基づくもので、法人税法の適用については公益法人等とみなされます。

 

両者の主張に対して裁決はまず、各経費は収益事業と収益事業以外の事業の両方について生じたものであり、収益事業に必要な費用であるから共通費用になると認定しました。その上で、収益事業への各経費の配賦については、常に一律の基準によって配賦するのではなく、個々の費用の性質及び内容などに応じた合理的な基準によってそれぞれ収益事業と収益事業以外の事業に配賦するのが相当であるから、管理員の従事期間や供用面積等の按分割合等によって収益事業に配賦するのが妥当であるという判断を示して、原処分の一部を取り消す裁決を言い渡しました。

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