東和宏 公認会計士・税理士事務所

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金融・国税当局の圧力に、とうとう保険業界が屈した。節税目的による加入が増えていた経営者保険を、4月から相次いで見直す動きが出ている。中途解約を前提にしているケースが多く「死亡時の保障という本来の趣旨から外れており、脱税を助長するような商品」(金融庁幹部)と問題視されていた

 

生命保険各社が見直すのは、中小企業の経営者を対象にした「全損型」の生命保険。死亡すると数億円単位の保険金がもらえる契約で、払い込んだ保険料の全額を会社の経費として扱い、節税が可能となる。10年ほどで途中解約すれば「解約返戻金」で大部分の保険料が戻ってくるうえ、この返戻金を役員退職金や設備投資費に充てれば課税されない。多額の保険料を支払うことで決算を赤字化し、会社の純資産を下げれば贈与税を抑えられるため、事業承継にも生かせる。

市場規模は今や数千万円まで膨らんだとされるが、金融庁は「保険料や返戻金が不自然と言っていいほど高く、節税のメリットばかり押し出されている商品が目立つ」と、保険業界側に苦言を呈してきた。基本的に利ざやの薄い商品なのに、ブームに乗って無理な商品設計をしているケースも散見されたという。

 

今後、見直しにより保険料が引き下げられ、解約時に受け取る返戻金が減って節税効果が薄まる商品が続出する可能性がある。
窓口では顧客に対し、節税目的の加入に注意を促す文書を配布する。しかし保険業界からは恨み節が漏れる。大手保険会社の役員は「超低金利の中でやっとひねり出したヒット商品を潰すのが『育成』をうたう監督官庁のやることか」と話した。

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